新築戸建の購入を検討する際に、「建売」にするか「注文住宅」にするかで迷う人は多いですね。
どっちにするのが良いのか決められなくなったら、まずはそれぞれのメリットデメリットについて考えてみましょう。
家は一生で一番大きな買い物にも成り得ますので、家選びに焦りは禁物です。
自分にとってどんな家が適しているのか、色んな角度からじっくり考えてみましょう。
建売と注文住宅どっちが良い?
新築の一戸建て購入を検討する時、「建売」か「注文住宅」か迷いますよね。
元々土地を持ってたら注文住宅、土地から購入だったら価格が抑えられる建売、と、一見簡単に決められそうですが実はそうでもありません。
家を買うと決めたら、自分の住みたいエリアの建売住宅を見て回ったり、好みの場所で売地があったら住宅展示場で注文住宅の下調べをしてみたり。
更には、住宅展示場で色々見る内に好きなハウスメーカーが出来て、そこの建築条件付き土地が気になって来たり・・・
でも、注文住宅を色々見ている内にやっぱり建売のほうがローン返済のプレッシャーが少なくて済むな・・・と原点回帰する。
そうやっているうちにどちらが良いのか決め手が分からなくなったりするんですよね。
やっぱり、家の購入は一生に一度の(かどうかは一生を終えてみるまで分かりませんが^^;)大きな買い物であることは間違いありません。
だからこそ沢山迷うし、不安にもなるものです。
建売住宅と注文住宅は同じ新築であってもそれぞれのメリットやデメリットが大きく違ってきます。
それは、自身のライフスタイルによっても求めるものが違ってきますから、それぞれを比較してよく検討されると良いですね。
建売と注文それぞれのメリットデメリットは?
では、建売住宅と注文住宅それぞれのメリットデメリットについて見て行きましょう。
建売のメリットは?
・購入から入居までが短期間
・出来上がった物を見て決めるので細かい打ち合わせの手間暇が不要
・購入にかかる費用が把握しやすい
・値引きが出来るかも?!
建売住宅の良いところと言えば、何と言っても価格ですね。
例えば自分にとっての住みたいエリアが土地から購入し注文住宅を建てるとなると予算オーバーで手が出ない場合でも、建売だったら検討出来ることもありますよね。
新築であれば内装などはあまりこだわらないから立地を重視したい、という人にはおすすめです。
また、購入してから入居までが短期間であることもメリットのひとつですね。
注文だと、契約してから間取りの調整や外装内装・建具・外構まで何から何まで打ち合わせをして決めて行かなければなりませんが、出来上がった物件を気に入って買うのなら、あとは契約やローン審査を済ませれば引き渡しまでがとても早いです。
更に、仮に建築途中の建売であっても、販売価格が決まっているので購入にかかる費用が把握しやすいのも支払い予定をたてやすいという利点になります。
また、完成物件の場合で、なかなか買い手が付いていない場合は100万単位で値引きがされたりもするので、タイミング良く物件に出会えたらお得に家が購入できるかもしれません。
建売のデメリットは?
・工事がどのようになされたか把握が難しい
・間取りや建具など、細かいところで不便さを感じることも
・気密性・断熱性に欠けることもあり
・個性が無い
・安っぽく見えがち
次に建売のデメリットについて。
住宅購入を検討始めると、まずは近所で建築されている建売住宅が目につきますよね。
で、週末になると「オープンハウス開催中!」などといった立て看板があちこちに設置されたりするんです。
特にアポなしでも内見させてもらえるので、「家購入の参考として」気軽に見に行く人も多いのではないでしょうか。
実際、我が家もそうでしたし。
特に気負うこともなく、週末の暇つぶし程度の気軽さで「ちょっと見せてくださーい!」とアポなしで直接物件訪問。
どうぞどうぞと笑顔で迎え入れられ中へ。
「あれ?!思ったより全然いいじゃん!」
建売だって立派な新築です。そして建具等最低限のことが多い為、逆に広さを感じたりもするんですよ。
そうやって「意外にも良い」と感じつつ内見をしている内に、段々と「あれ、もしかして建売もアリかも!」と心が動いてきたりなんかもするんです。
そうなって来ると、営業さんの思う壺。
怒濤の営業トークが始まります。
「こちらの物件、即決して頂けたら○○○万円は値引きさせていただけますよ。」
「実は、明日も数件内見アポが入っておりますので。早い者勝ちですから・・・」
「なかなかこの条件でこの価格は出てこないので、かなりお得ですよ。」
等々。
正直、なんぼお得か知りませんがバナナのたたき売りじゃあるまいし何千万もする買い物、即決できるわけがないです。
ところが、物件を見た心理?!なのでしょうか。焦らされると「急いで決めなきゃ!」と、この物件を決めないと損するような気持ちが芽生えたりもするんです。
なので、その場の雰囲気にのまれやすい人は、どんなに良いと思っても、そこで浮かれて「買います!」なんてことは言わず、一旦持ち帰って再度検討するべきですね。
また、建売の場合のデメリットは土地の調査から完成までの行程や状況が見えないので、どの様に工事がなされていったのかの把握が難しいのもデメリットです。
我が家の近所でもよく建売住宅の建築がされていますが、相当な大雨の日に養生もろくにしないでずぶ濡れになっている建築中の物件を見かけたりします。
この家大丈夫か・・・?!と他人事ながら思いますね。
加えて、建売の場合は、家の気密性や断熱性に置いては最低グレードの場合が多いです。
なので、なんか家が薄い?!ように感じてしまいますね。
だから、建売の完成物件を真夏に見に行くと家の中がめちゃくちゃ暑くて汗が吹き出しますし、冬は凍えそうなくらいに寒いです。
更に、家のデザインがどれも似たり寄ったりで個性はありません。
これは万人受けする無難な間取りで無難な建具を入れて居るので致し方ないのでしょうが、数件見たら正直飽きます。
こういったことを合わせて結局のところ「なんか安っぽい」感じに見えてしまうのでしょう。
注文住宅のメリットは?
・間取りやデザインが思いのまま
・工事開始から完了まで現場の様子がしっかりと確認できる
続いて、注文住宅について。
まずはメリットからですが、注文住宅のメリットと言えばなんと言っても「自分の好きなように」家が建てられるということ。
住宅展示場へ行くと、どのお家もとても素敵でワクワクしますよね。
ハウスメーカーや工務店はそれぞれ独自のセールスポイントがあり、自分の好みに合う会社を選び、理想の間取り・デザインの家を建てることができます。
注文住宅の場合は、間取りやデザインの調整はもちろんのこと、外装内装・建具全てにおいて自分で決められるので、予算に合わせて仕様を調整するのも自由です。
そして、工事を始める前の地鎮祭から引き渡しまでの数カ月間、いつでも現場に行って状況を確認することができるのも安心感につながります。
なにより、自分自身の思いを詰め込んだ家にはとても愛着がわくものです。
注文住宅のデメリットは?
・追加費用が発生する
・事前のトータル価格の予測がつけ辛い
・売却で苦戦する
メリットを見ていると、どう考えても建売より注文住宅がいいようにも見えてきますが、注文住宅にもデメリットはあります。
まずは、価格のこと。
基本的に、建売に比べて建物にかかる金額が1.5倍~2倍、あるいはそれ以上になってしまいます。
最近では低価格を売りにした注文住宅もありますが、そういった会社の場合、建売住宅も相当数建築していたりするので、結果的に建売と比べてさほど個性を感じられなかったりという現実があります。
ある程度自分の満足いくものを建てようと思うと、それなりの価格はすると考えておく必要がありますね。
また、家の細かい仕様や建具を決めて行くのは契約をしてからになります。
打ち合わせをする中で、色んなカタログや実物で建具やインテリアを見ていると、当然のごとく欲が出るんですよね・・・。
そうしているうちに、気付いたら契約時に考えていた予算を大幅にオーバー!という事態は全く珍しくありません。
それに、注文住宅を建てる時にうっかりしがちなのが「外構工事」のことです。
一般的にハウスメーカーなどの建築費用には外構工事は含まれていません。
これ、実際に建てたことなかったら知らないですよねー。
私は、自分が家を建てるまでは、注文住宅には駐車場や庭も含まれるものだと思ってました^^;
なので、「建物」の他に「外構工事費」がプラスで必要になることを忘れてはならないのです。
そんな訳で、「結局トータルいくらかかるの?!」という実際の費用の把握を事前にするのは難しいんですよねえ。
この部分は、後になって困らないようにやや多めに見積もって置いたほうが良いです。
それから。
気合を入れて注文住宅を建てたけど、何年かして売却したいということになる可能性もあります。
我が家がまさにそうでした。
築何十年も経ったあとで、既に建物の価値が0円になった後なら大した問題ではないのですが。
築数年などの築浅物件として売却しようとした時、場合によって注文住宅は不利になることもあります。
家を買う前から売却のことなんてもしかしたら興味もないかもしれませんが、この点もしっかり考えておいた方が良いです。
だって、我が家も家を建てた時はじいさんばあさんになるまでそこに住むつもりで建てましたから。
でも、結局は数年で売ってしまったのです。
売却はかなり苦戦して、売れるまでに2年かかりました。
家自体は自分で言うのもなんですが結構素敵に出来ていて、見に来る人も「わー素敵!」と言ってくれたりなんかもしていました。
でも、なかなか売れなかったんです。
理由は明らか。
「売却価格」ですよ。
我が家は坪単価が結構高めのハウスメーカーで家を建てていましたので、売却をする際の価格もそれなりに高くしないと採算が合わなかったんです。
で、問題はその価格。
我が家の周りには注文住宅だけでなく、建売の新築もあちらこちらで販売されていて、その価格がウチの中古物件よりも安いんです。
みんな新築が好きなんですよ。
いくら気合の入った家だろうが中古は中古なんです。
買う時はみんな新築が欲しいんです。
そんな新築より高い中古なんて、買いたくないんです。
実際言われたりもしましたからね「なんでこんなに高いの?」って。
ですので、築浅中古で売る場合は建売の中古の方が損しないで売れる可能性が高いですね。
元々の建物のコストが低い分、売却のダメージは少なくて済みます。
まとめ
建売と注文、それぞれのメリットやデメリットについて取り上げてみました。
正直、どちらが正解と言うことは無いです。
我が家は注文住宅で家を建てたことがあり、昔は絶対注文住宅派でしたが、家に関する色んな経験をしたことで今は偏った考えは持っていません。
どちらが良いかというのは、家を買う時点とその先を見据えた場合の家族構成や住むエリア、生活スタイルによって優先するものが大きく違います。
なので、建売でうっかり即決してしまったり、住宅展示場で注文住宅にすっかり魅了されてしまった時は、一旦落ち着いてそれが本当に自分にとっての正解なのか、必ず一度立ち止まって考えることが大事と思いますね。
住宅購入は本当に気力体力使いますが、真剣にやればやるほど後々の満足度は高くなりますから、是非全力で取り組んでみてくださいね!